保健師転職に活かせる単発・スポットアルバイトのお仕事
産業保健分野に転職をしたくても募集している求人は「経験者」限定の求人ばかり。
経験を積みたくてもそもそも経験を積む機会がないとお考えではないでしょうか?
そこで、この記事では「産業保健分野の経験」とはいえないまでも、産業保健分野に転職する際に書類選考や面接でアピールできそうな単発・スポットアルバイトのお仕事を紹介します。
単発・スポットアルバイトとは?
名前の通り、1日単位・日雇いのお仕事のこと。
スポットの仕事は、全体的には介護福祉系のお仕事が需要が多いのですが、産業保健分野や健康管理業務でのスポット業務もあります。
では、保健師転職に活かせそうな単発の業務はどんなものがあるのでしょうか?
どんなスポット業務が保健師転職に活かせるのか?
スポットで需要のある業務としては下記のようなお仕事があります。
①健診業務
②ツアーナース(旅行添乗看護師)
③イベント救護待機
次に、それぞれがどういった内容のお仕事かご案内します。
①健診業務
まずは「健診業務」です。
健診業務は季節的な業務で繁閑の差が激しく、かつ、健診先に出向く巡回健診の場合、勤務地がバラバラとなるため、健診期間は繁忙期にスポットで勤務できる人材を募集します。
主なシーズンは春(4~6月頃)と秋(9~11月頃)で、健診を行う企業や学校に出向いて仕事を行います(※一部、健診施設内健診もあり)。
健診の主な業務内容としては、
・採血
・血圧測定
・心電図計測
・検査介助(胸部/胃部レントゲン)
・各種計測(身長・体重・視力・聴力・腹囲 等)
・問診
などがあります。
なかには、問診業務を保健指導・健康相談の一環としてとらえ、看護師資格ではなく保健師資格者を求めているケースもありますよ。
★健診業務が保健師転職に役立つポイント★
まず、健康診断の実施は企業の義務であり、手配や実施後の措置などを産業保健師や人事部が対応する業務です。
そして、企業側の健診準備や手配はかなり大変な業務なのです。
※参考
→なぜ、定期健康診断業務は人事労務を苦しめるのか?効率化するポイントを紹介します。(carelyより)
そこで、たとえは面接でのアピールで
・私はこれまでに●●件の健診業務に携わりました。
・その経験のなかで☓☓という企業側の課題に気づきました。
・そこで私は▲▲という工夫をしてこの課題改善に着手し、
・○○といった改善ができました(成果を出すことができました)
といった話をすることで、採用企業側の目線に立った話をすることもできるようになります。
まぁいきなり単発で課題の改善を行ったり成果をだしたりするのは難しいかもしれません。
が、ここで大事なのは、単に「健診業務の経験があります」で終わらせないことです。
従業員の健診を実際に手配する「企業側の視点をもって業務に取り組む」ことを意識するだけでも、いろいろな気付きがあると思います。
面接では、いくら「予防医学の大切さを実感し〜」とか言っても、具体的な経験に基づかないアピールは無価値で響きません。スポット業務であっても、具体的な経験にもとづいた話ができれば大きなアドバンテージになるでしょう。
②ツアーナース(旅行添乗看護師)
次に、ツアーナースのお仕事です。
ツアーナースは、小学校・中学校の林間/臨海学校や、高校の修学旅行、企業の慰安旅行等に同伴して、さん会社の健康管理を行うお仕事です。
主に、2泊から3泊の宿泊を伴うものが多く、夜間の対応が必要になるケースもあります。
当日に突発的に起きることへの幅広い柔軟な対応が求められるので、ある程度の看護師経験を求められますが、沖縄や海外に行くケースもあり、普段とは異なる環境での仕事になるため、病院などの医療現場で働く方にとっては仕事自体がリフレッシュにもなるでしょう!(仕事はきっちりやる必要がありますが…)
ツアーナースで行う業務は、
・事前打ち合わせ(旅行行程や要対応者の確認)
・傷病者の対応
・看護日誌の作成
といった内容になります。
ただし、行程を通して対応するため、例えば林間学校であればハイキングや登山にも同伴します。
そこで適宜発生する、傷病者の緊急対応(場合によっては救急搬送の手配)が必要になることもあり、旅行先での業務ではありますが、まさに企業内医務室での業務に近い対応といえるでしょう。
③イベント救護待機
次に、イベント救護待機のお仕事についてです。
イベント救護待機は、アーティストのコンサートやスポーツイベント等で会場内に設置される救護室に待機して、来場者やイベントスタッフの救護対応を行うお仕事です。
何も発生しなければ単に待機して終わるケースもありますが、ツアーナース同様に、適宜発生する傷病者の緊急対応(場合によっては救急搬送の手配)が必要になることもあり、これも企業内医務室での業務に近いものになります。
私自身、あるイベント会社からアーティストの野外コンサートの救護スタッフの手配依頼を受けて、数万人の来場者がくる超大規模イベントだったため人材会社側の自分も現地に出向いて各種調整をしたことがあるのですが、、、
そこでは、
・軽度、重度含めた体調不良者の対応
・熱中症患者の対応
・飲酒による急性アルコール中毒者の対応
・来場者同士の喧嘩による怪我の対応
・興奮しすぎて過呼吸になった来場者の対応
・モッシュ(興奮した観客が密集状態で体をぶつけあうこと)からの地面落下による骨折者の対応
・救護室の対応待ちをしている来場者からの文句・罵声・クレームの対応
といった状況が終始続き、医療スタッフが休憩を取るまもないという壮絶な現場に立ち会ったことがあります。(私自身も喧嘩の仲裁に駆り出されるというカオスな状況でした…)
ツアーナースもイベント救護も何もなければ面白い仕事ではありますが、上記のような対応が求められるケースが発生する可能性がゼロではないという点を念頭に置いて引き受けてください。
★ツアーナース・イベント救護待機業務が保健師転職に役立つポイント★
こちらは、年間や毎月・毎日のオペレーションというよりは、医務室などでの緊急対応がある企業に対してアピールできる点になると思います。
ツアーナースやイベント救護の仕事では、医療機関ではない人員も設備も限られた状況での柔軟な対応や、イベントや来場者の特性に合わせて事前準備時に必要な物品の提案をしたりといった経験を積むことができます。
前者は、製造業などの工場を持ってる企業の場合、医務室を設置して突発的な傷病者の対応が必要になるケースも多く、医療機関外での緊急対応の経験がアピールできます。
後者は、企業内健康管理室立ち上げフェーズでなんでもかんでも施設や備品が整っているわけではないという企業からすれば、企業の特性に合わせてどのような体制構築をすればよいかといった知見がほしいので、活かすことができるでしょう。
単発・スポットバイトの探し方
では、単発・スポットのお仕事を経験するにはどうすればよいのでしょうか?
単発のお仕事で経験を積む場合は「人材派遣会社への登録」をするのが一般的です。
せっかく登録をするのであれば、保健師の転職にもつながるほうが良いと思いますが、単発・スポットの求人が充実している派遣会社は「MC-ナースネット」が有名で、MC-ナースネットは保健師求人に強い転職サイトランキングでも2位に掲載していますので、どこか1社に登録するのであれば、MC-ナースネットを押さえておけば問題ないでしょう。
単発・スポットの総数としては介護・福祉系の業務が多く、MC-ナースネットにおいてもデイサービスや訪問入浴のお仕事も多くありますが、他の派遣会社と比べて「健診」「ツアーナース」「イベント救護」の求人も多く、幅広い種類の単発求人を取り扱っています。
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MC-ナースネット以外の、単発・スポットのお仕事が充実している人材派遣会社も別記事で紹介いたします!
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まとめ
未経験からのの保健師転職はいろいろと試行錯誤する必要があります。
未経験で産業保健分野の求人にエントリーした際に困るのが「志望動機」。
よくやりがちなのが、
「病院で重病の患者さんを看た。
病気になる前に気をつけていればと後悔していた。
予防医学の重要性を実感した。
だから産業保健師としての就業を希望している。」
という志望動機を言ってしまうこと。
これがなぜ駄目かわかりますか??
なぜなら、これって病院勤務経験のある看護師さんであれば、ほとんどの方が言えることなんですよね。
ぜんぜん、他の応募者との差別化になってないですし、産業保健師を採用する人事担当者から見れば「またか…」と思われてしまいます。
ようは「誰でも言える」「まったくオリジナリティのない」内容ってことです。
じゃあ、どうすればよいのか??
現在の経験のなかでは、アピールポイントがない or ありきたりなことしか言えない のであれば、
「新たにアピールポイントを作ればよい」のです。
新たにアピールできる経験を積むためには単発のお仕事を活用することは有効です!
ぜひ、そういった視点を持って単発のお仕事に取り組んでみてください。
志望動機の書き方については下記記事でもまとめていますので参考にしてください。
産業保健分野への転職を成功させる志望動機「3つのなぜ」の書き方
単発の仕事も保健師転職に活かす!
それぐらいの気概を持って取り組めば必ず保健師転職は成功します。
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